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オオカミ王 ロボ

ロボといえば最強に立っている狼キャラでありましょう。

野生の象徴。神々しいまでの鋭さがありながら、家族や仲間に愛情深い特性は現代人の我々に特別な憧れ感を抱かせてやみません。

シートンはそんな時代に自然保護、動物保護を訴え、ナチュラリストで優秀なハンターでもありました。パリで「眠れる狼」「狼の勝利」という絵画を描いた後にアメリカに戻り、人間をさんざん苦しめている老狼ロボを追いその対決を綴った実話は大変な驚きの連続です。ほんの100年ほど前人間は狼を地上から本気で抹殺しようとしていましたし、両者は食物連鎖のトップを争う宿敵でした。「ロボ」は人間と獣の対等な対決が描かれています。人間もまた生きる為に必死で彼らと戦ったわけで(それが昂じて絶滅に追いやる結果となりましたが)漫画化をする時には、狼を一方的に守るべきもの、可哀想、という視点ではなく、大自然の中で生きる「同じ生き物」として差別無く対等に彼ら狼を描写したかったという思いがありました。

しかし狼というのは、憧れは強くても(強いだけに尚更)そのキャラ性を理想のままに表出させるのが最も難しい動物ではないでしょうか。

描く時は〝気〟一発、的な所があります。

画像

上•小学館版

右•学研版

左•つばさ文庫版

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