シートン動物記ワールド
とのかかわり
117年前にアメリカで誕生し、80年間日本で親しまれている誰もが知る感動の動物文学「シートン動物記」。
(「動物記」の表題は日本のみのものです)
姫川も幼少の頃に親しみ、高校時代には藤原英二訳の文庫で読み直しました。アメリカ動物文学を代表するシリーズだと思います。
最初の漫画化はシートンの生誕150周年を記念して小学館〈ガクマンプラス〉に掲載した「サンドヒルのオジカ」でした。続けて「狼王ロボ」「スプリングフィールドのキツネ」を執筆し、2012年に一冊の単行本として発行されました。(「白いトナカイの伝説」を描き下ろし収録)それをきっかけに、現在まで4つの出版社さんから「シートン」関係のご依頼を頂き4種類の本が刊行されています。
小学館の「シートン動物記」が発行された翌年2013年に〈朝日ジュニアシリーズ週刊マンガ世界の偉人60〉シートン動物記の作者であるシートンの生涯をダイジェストにカラーマンガ化。
同じ年2013年の12月に〈角川つばさ文庫、シートン動物記〉越前敏弥さん⧸訳 の、イラストを担当。こちらは現在3巻まで刊行されています。そして、2014年には学研「10歳までに読みたい世界名作」シリーズの「オオカミ王ロボ」で50点のカラーイラストを描きおろしました。
「シートン」に関しては2002年から数回に渡ってのアメリカ旅行が布石としてあります。いわゆる〈旧西部〉オールドウエストな田舎道やファーストネイションズのお祭りや国立公園などを訪ねる旅で、旅そのものもかなり強烈な体験だったのですが、帰国後にたまたま、以前読んだ文庫本を手に取った所シートンが描いた動物、アメリカの大地が行間から驚くほど鮮やかに見えて来たのです。あんなに何度も読んだのに、自分はこの小説の背景を何も知らず今までストーリーだけを読んでたのか…なんて勿体ない。この驚きは自分だけの事かも知れませんが、小学館のマンガの仕事が来た時、アメリカに行って目に焼き付けた光景や空気感を描き込んで、読者に伝えたいと強く思いました。 同時にこの時期のお仕事を通じて、シートンが画家であり動物学者であり、ボーイスカウトの創設者でもあったという、多彩な生き方については初めて知りました。
物心ついた時からずっと、自然に動物の絵を描いて来た自分にとって、これら一連のお仕事に関わる事が出来たのは大変光栄で、大切にしていきたい作品のひとつです。
アメリカの旅については、Travelブログで写真記事にしています。